中瀬祇園まつり

 中瀬祇園まつりは、深谷市の利根川沿いにある中瀬地区に鎮座する中瀬神社の祭礼です。世良田型と思われる四台の大型屋台(一台は、やや小ぶりか・・・)が曳き廻されます。四台の屋台は、いずれも深谷市の有形民族文化財に指定されており、三台は、江戸末期・一台は、明治期の制作のようです(深谷市の有形民族文化財のページ)。お囃子は、世良田系の祇園囃子で、一般的には、さんてこ囃子と呼ばれるものです。群馬県によく見られるスタイルですが、屋台の後ろ側で演奏されていました。車輪は、固定式の四輪で、微妙なカーブ等は力ずく(屋台の側面を押す)で、他は、屋台内に仕込まれた回転式?のジャッキで持ち上げて旋回させます(全台がこの方式かは未確認)。なお、見た目で判断すると、提燈の明かりは、蝋燭と電球を併用していたようです?大型の屋台、叩き合い、独特の飾りつけ等々、見どころも多く楽しい祭です。



2015年7月25日
巨大な屋台 やはり、世良田型?の大型屋台は、見どころです。屋台前後の唐破風の上に天幕を張り、その下に提燈を付ける飾りつけも独特です。やはり、世良田と同じように、張出舞台を出せる構造だったようで、いにしえの時代には、歌舞等の出し物が行われていたのだと思われます。いつか、そのような出し物が復活する日が来るのでしょうか?
※:屋台は、以下の四台です。
  上中瀬(仲街)
  川岸(本街)
  延命地(南街)
  原(京街)
叩き合い 見ていた範囲では、上中瀬自治会館前で十字型に四台の屋台が並べられて、盛大に叩き合いが行われました。独特なぶっつけ囃子や撥さばき等、埼玉県北部の祭好きにはたまらない迫力たっぷりの叩き合いでした。なお、現地で叩き合いの事を何と呼んでいるかは定かではありません。
屋台の取り廻し 祭の説明でも記述済ですが、中瀬の屋台は固定式の四輪です。微妙なカーブ等は力ずく(屋台の側面を押す)で、他は、屋台内に仕込まれた回転式?のジャッキで持ち上げて旋回させていました。最も、屋台制作された江戸末期にそのような仕掛けがあったとも思えないので、屋台自体も制作当初から、かなり改造されているのだと思われます。大型の屋台を所有する地区では、人手不足からかハンドリフトで前輪を持ち上げた状態で運行するケースが散見されますが、中瀬では若者が頑張っているようです。最も、祭の時だけ中瀬に帰ってきているのかもしれません。祭の時だけ人口が増加しているのかも?
なぜこんなところ(失礼)にこれほどの屋台があるのか不思議だが、利根川の水運で栄えた地区ということなのだろう。また、養蚕による経済力があったのかもしれない。対岸の世良田は、屋台が修復されてすべて綺麗な状態になっているが、中瀬の屋台も当時は、漆塗り、彫刻類は極彩色に塗られていたようだ。現在では、いい感じに古びているが・・・。世良田のように、修復してほしいような、してほしくないような・・・。
中瀬神社
中瀬青果市場
上中瀬自治会館
中瀬祇園まつり 動画コーナー

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